墓石の価格~3つの謎・・・寸法の謎 編

墓石価格が石材店によってまちまちで、
同じように見えても、
  
高い店と安い店で何が違うのかわからない・・・って
思ったことありませんか?

今回はお墓の値段を比較しにくくしている

「墓石の価格~3つの謎」のひとつ、

「寸法の謎」

について解説していきます。

また、あなたは各墓石店の「お墓」の寸法(サイズ)は
どこで買っても同じだと思っていませんか?

いきなり何を言っているんだ、と思われたかも知れませんね。

実は墓石業界にはお墓のサイズに「統一規格」というものがないのです。

意外に思われるかも知れませんが、日本全国の各墓石店が、
てんでバラバラに墓石のサイズや形を決めています。

もちろん、まったくのデタラメではなく、
ものすごく大まかな「統一規格」はあります。

それは「仏石」と呼ばれる墓石の一番上の石の
横幅の寸法のサイズによる大きさの分け方です。

仏石の幅が「八寸=約24センチ」なら八寸の墓。
「九寸=約27センチ」なら九寸の墓、
「一尺=約30センチ」なら尺墓とか言います。

仏石サイズ

しかし、それ以外の部材にはなにも統一した規格が決まっていないことで、
単純に同じ大きさ(八寸の墓、九寸の墓という基準)から
各石材店のお墓の値段を比較することが難しいのです。

どういうことかといいますと、墓石の原価は「原石の量」と
「加工の仕方」で仕入れ値が決まります。

つまり、同じような加工のお墓で、仏石が同じ寸法だと思っても
実際は奥行きと高さが違うと使っている石の量が違うので
その差によっては仕入れ値にかなりの差が出てきます。

例えばこんな感じ・・・。

高さ

どちらの画像も仏石の幅は同じです。

この仏石の横幅は同じ八寸でもほかの部材の高さはまるで違いますよね。

そうすると、チラシで八寸の墓と謳っていても
売値は後者のほうが大分石の量が少ないので安くできるわけです。

仏石の幅だけ八寸にして、他をちょっとづつ
小さくすれば原石の仕入れ値が安くすみます。

まあ、この画像のようにここまで極端な差はなくても
並んで建っているか、きちんとメジャーで測ってみない限り
サイズの違いを見極めるのは難しいです。


よくお客様から、「八寸の大島石の墓でどれくらいするの?」と
電話で問合せがありますが、大島のような国産材で高価な石の場合、

この寸法のマジックを使っている墓石店ときちんとした
バランスの寸法で真面目に墓石を作っている墓石店とでは、
同じ八寸のお墓でも考えられないほどの差額になります。

これが墓石の価格を単純に「サイズ」だけで比較できなくしている

「墓石の価格~3つの謎」のひとつ、 

「寸法の謎」の真実でした。

次回は「御影石の謎」についてお送りします。

お楽しみに!

墓石の価格は地域によってぜんぜん違う?

今日は墓石価格地域によって違うというお話をしたいと思います。

皆さんは、墓石値段って日本全国どこに行っても
車や家電製品のように同じ値段だと思っていませんか?

私も最初はそう思っていました。

それが違うとわかったのは、
私が東京と広島お墓を販売した経験があるからです。

かれこれもう7年近く前になりますが、
当時私は東京の錦糸町駅前に本社のあったN石材という
墓石業界最大手の会社で働いていました。

その会社では主に、
千葉県の市川市にある霊園の販売を任されました。

営業先の対象エリアとしては、千葉に隣接している
東京都の江戸川区、葛飾区、江東区、墨田区の4区。

今で言うとスカイツリーのあるあたりにお住まいの
お客様をこの市川の民営霊園を販売するために
車でご案内していました。

車で高速を使うと大体30分~45分圏内で行けるエリアで、
毎日10~15件の個人宅へ訪問営業をしていました。

今思えば、ここで学んだことがとても財産になっています。

話がずれましたが、都内の方はまずは都営の霊園を
買おうとお求めになられるのですが、どこも予約でいっぱいで
抽選待ちの状態なんですね。倍率は当時で40倍くらい。

壁墓地というほんとに0.5㎡もない小さな小さなお墓で
墓地+安い墓石込みで100万円くらいしたと思います。

墓石というより、はめ込み型の石のプレートみたいなものですが・・・。

現在は定かではありませんが、状況はそう変わっていないと思います。

都営でも普通も墓地が持ち主が引越しや無縁になったという理由で
空きがでることもありますが、とんでもなく高いです。これも抽選・・・。

実際、お墓を建てるのに抽選で何年も待つわけにはいかないので、
すぐに買える民間の霊園を探すことになるのですが、
これも都内だととんでもなく高いです。

完全に場所で決まりますが、都心に近ければ近いほど
値段は上がります。例えば、江東区になる駅近の霊園の場合だと、
確か0.35平米で墓地墓石セットで135万~くらいした記憶があります。

東広島のお墓の平均墓地サイズが4.0平米として、
墓地墓石セットで大体150万~くらいからですから、
どれだけ相場が高いかはお分かりいただけると思います。


お墓は「墓地+墓石」、墓石は「お石塔やその他の付属品の石製品」という
概念で言うと、東京のような都心部ではお墓はとても高くなります。

まず、墓地代=土地代が高いですよね。

そして、その墓地を作るのにかかった余分な経費が
土地代だけではまかなえないので、墓石代にも上乗せされます。

さらにそのお墓を販売するために必要な経費も
その墓地代と墓石代に上乗せされます。

なので相対的に都心部のお墓の値段が高くなるというわけです。


墓石自体の仕入れ値は、全国的にはあまり大差はありません。

私が当時、東京でよく売っていた外国産の墓石を
広島に帰ってきて仕入れて販売しようとしたところ、

東京と広島の墓石の価格の相場の違いに愕然とした記憶があります。

東京の相場と広島の相場では、
おおよそ2~3倍、墓石の販売価格に差がありました(驚)。

「こんなに仕入れ値安かったんだ!!!」って
当時、まだ広島に帰ってきたばかりの頃は
東京と地方の墓石の価格差に愕然としていました・・・。

もちろん、石種によってはそうでないものもありますが、
やはり墓地開発にかかる費用の差が大きいのだと思います。

あとは、墓石単体で販売している場合と霊園の中で墓地墓石セットで
販売されているケースでも値段にそうとうバラつきがあります。

なので、購入したい墓地や霊園が一社独占で
墓石を販売している場合は比較的高くなる傾向にあると思います。

それは、霊園開発にかかった費用が土地代をあまり高く
設定できないので墓石にのせるしかないという事情から来ています。


ほとんどの場合、都心では開発費にお金がかかるので、
都営や市営などの公営霊園以外では指定石材店制度といって
開発に資金を出した石材店からしか購入できないシステムになっています。

広島で一部、そういった条件の霊園もありますが、
条件のつかない霊園の方が多いかと思います。


お墓=墓地+墓石を買うのか、墓石=石塔だけを買うのか、
これによって予算を含めいろいろな選択肢が決まってきます。

墓地を買う前に、墓石はどこでも購入できるのか、
それとも一社でしか見積もりできないのか、

そのあたりのこともよく確認してから墓地を購入されるといいでしょう。

墓石の専門家としてブログ開設しました

皆さん、はじめまして!

広島墓石専門家墓石ソムリエこと、
藤堂和生と申します。

私は今、二代目として東広島で墓石店を経営しています。

このブログを開設したのが2011年の8月。

東京で3年、広島で7年と、この墓石業界に携わってきて、
早いものでかれこれ10年が経ちました。

10年間、この業界に携わってきて感じていることがあります。

それは、墓石はとても高く、高額な商品であるにも関わらず、
消費者の方にとって、墓石選びについての情報がほとんどなく
購入まで至る際に、大変なストレスを経験されるということです。

私は東京で3年ほど墓石・霊園販売の業界最大手の企業に
勤めた経験と、現在の私の会社のような地域密着型の小さな
石材店の両方の視点から墓石を販売してきた実績があります。

東京時代とここ、広島で合わせると、
これまで1000基以上のお墓づくりのお手伝いしきました。

これらの経験から、お客様が墓石を購入する上で
お墓作りで失敗しないために必要な情報は何か、

どんな情報をお客様は求めているか?
ということがわかるようになってきました。

このあたりの情報を中心に、これからこのブログで
じっくりといろいろ解説していきたいと思います。

墓石をこれから購入予定の消費者の方はもちろん、
墓石を販売される側の立場の方にも役に立つような
記事を書いていきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします!


墓石のソムリエ 藤堂和生

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