墓石の価格3つの謎・・・施工の謎編

さて、これまで「墓石の価格~3つの謎」と題して、
「寸法の謎」「御影石の謎」についてお話をして参りました。

今日は「墓石の価格~3つの謎」のラストの謎について書いてみます。

あなたはお墓を作るって聞くと、原石を採掘して切って磨いて加工して、
墓石の形が完成するまでをイメージしていませんか?

確かにここまでで、すでにお墓は完成していると言えます。

でも、実はここからがお客様にとってもっとも重要な工程となります。
さらに各石材店でもっとも大きく差が出てくるところでもあります。


それは・・・「施工」です。

なぁ~んだ、と思われたあなた!ここが本当に一番大事なんですよ!

施工とは、具体的に言うと基礎工事です。

据付工事については、カニクレーンなどを使って丁寧に
据えていくだけなので、技術的にどこの業社もあまり大差はありません。

もちろん耐震ボンドを使うとか、金具止めをするとかは
当たり前の前提としています。(中にはこれすらできていない業社もあります)


石材店によって全然やり方や考え方に大きく差が出るのが、
墓石や外柵をのせる部分である基礎なのです。

ある意味、ここを大事にしていないお墓は、どんな立派なお墓も台無しです。

例えば、世界一高い御影石である庵治石で、
上下蓮華の加工をつけてものすごい高価で立派なお墓を建てたとします。

でも、ある日お墓参りに行き、そっと手を合わせて見た時・・・
墓石が傾いていたとしたらどうでしょう。とても見れたものではありません。

高価だっただけに余計に残念に見えてきます。

そんなのすぐ直せばいいじゃないかって思いますよね。
それが傾きを直すことはそう簡単ではありません。

墓石をすべて撤去して、基礎を打ちなおして、また据え直して・・・
なんてしているとすぐ何十万という費用がかかってしまいます。

傾くお墓とそうでないお墓、
一体どこでこのような「とんでもない差」がついてしまうのでしょうか?

次回の記事では、そのあたりのことを詳しく書いていきます。


国産墓石聖地「庵治」で歌い継がれている唄

前回までちょっと大島石のことばかり
気合が入って書いてしまったので、

今日はちょっと気分を変えて、もうひとつの
瀬戸内の銘石「庵治石」について書いてみましょう。

庵治石とは香川県高松市庵治牟礼町で採掘される
国産墓石の最高級石材です。

現在でも石材業界の聖地のようなところで、
毎年、「庵治ストーンフェア」という石材業界の
見本市がここで開かれます。

今年も庵治ストーンフェアが開かれたのですが、
そこで庵治の石職人さんたちが無形文化財に指定されている
「牟礼石切唄」を披露してくれていました。

過酷な環境の中で石を採掘、加工される際に、
昔の石職人さんたちがこの唄を歌いながら
大変な作業をされていたのでしょうね。

石職人さんたちの魂の唄を聞いて下さい。




いかがでしたか?

なにかこう・・・心に響くものありますよね。

こういった日本の原風景というか、
本当の日本の職人さんたちがいま、どんどん減っています。

中国など人件費の安い海外へ技術ごと流れてしまい、
石材業界も他業界と同じく「産業の空洞化」がおこっています。

こういった流れを止めるには、国産の墓石で少しでも多く
お墓を建てていくことしかありません。

石材業界を代表して申し上げます。

日本の将来のため、ぜひお墓は国産墓石で建てて下さい。
よろしくお願いします。


広島で大島石のお墓を建てるために絶対に必要なこと


前回の記事では大島石を購入する際に直面する
諸問題について書いてきました。

大島石の等級を見極めるのはプロでも困難・・・と言いましたが、

私は大島についてかなり研究をしているので、
ある程度分かります。

分かりますが、本当に微妙な差なので実際に横に並べて比較しないと
素人の方ではまずその違いには気付きません。


大島石の等級の表示、説明、価格については、
販売店である石材店の経営方針、代表の考えで全てが決まります。


とりあえず今、見た目がきれいならそれでいい、という考え方を持つ販売者もいます。

さらに、卸業者の段階ですでにその事実を隠して安い大島を高く卸されて
末端の販売者も分からずに大島石を売っているお店もあるかと思います。

しかし、そこはそのお店を信用して購入していただけるお客様のためにも
真の石のプロとして、本来安価な薬品処理されたような大島の原石を
高価な値段で販売することは私にはできません。


大島石で墓石を建てる場合は、お客様がそのお店のことを
100%信頼し、その等級、価格が適正であると確信できるまで話を聞くことです。


なので、ただ単に相見積もりをしてみようと石材店に問合せをし、

「大島石の九寸の墓で大体いくらするんですか?」と
各石材店に聞いて回ったとしてもなんの比較にもならないのです。


ハッキリ言います。

大島石は表示されている価格、等級、見た目では比較できません。
お客様ご自身が、どんな墓石店で買うべきかを自力で判断するしかないのです。


大島石は広島で最も高価で最も人気のある墓石です。

それ故に安かろう悪かろうの商品を、
さらに不適切な価格で乱販売する業社が後をたちません。


もし、本当に本物の素晴らしい等級の大島石でお墓を作ってみたい
とお考えの方は、ぜひ私にご相談下さい。

真摯に「大島石」についてとことんご説明致します。

そして、十二分にご納得いただけた上で、
感動の大島石でのお墓作りをお手伝いさせていただきます。

ご相談、お問い合わせはお気軽にどうぞ!

広島で人気の墓石「大島石」を購入する際の問題について

前回の記事では広島で人気No,1の墓石「大島石」について書きました。

今日はその続きで、この大島石を実際に購入する際に
直面する諸問題について詳しく書いていきます。


この業界では時々、異常に安い大島石が出まわることがあります。

これは国内では販売できないレベルの赤みがかった原石を
中国の商社が購入し、日本では扱えないような薬品つかい、
加工処理をしたものを卸している可能性が高いです。

こういった安すぎる大島石は、建立当初は美しい青味があるものの、
建立後5年~10年経ったのちに、原石本来の赤味が出てきて、
錆色に変色する可能性が高く、決しておすすめできるものではありません。

大島石が小売店によって全然値段が違うのは
こういった裏事情があります。

私はいつも大島石をご希望されるお客様に、こう言います。

「大島は買われる側のお客様も、売る側の墓石店にとっても
一番むずかしい墓石です。本当に信頼できるお店だと
納得した上でないと大島石は買ってはいけません・・・。」


消費者側が大島石を買う上での最大の問題は、
「寸法」と同じく大島石の「等級表示」統一規格がないことです。

大島石の呼称の問題とは、前述したような本来は決して
一級材と呼べるランクのものでない原石でも、
 各石材店が勝手に等級を決めて販売できるところにあります。

当店では特級クラス以上の大島についてはできるだけ
「◯◯という丁場で取れた大島石です」とご説明しています。

原石の等級は、採れた丁場名と価格でしか本当のことをお伝えできません。

良心的な石材店が、本当に高い大島の原石を
適正な価格で「特級」と表示して販売していても、

非良心的な石材店が、見た目がきれいなだけで
実は薬品処理をしたような安い原石の大島を
「特級」と表示して販売していたとしたら・・・。

これを見分ける術は、残念ながらありません。
プロでも見分けるのは困難です。

次回の記事では、この問題を解決するには一体どうすればいいか?
この方法をお伝えしたいと思います。

広島で人気No,1の大島石について

前回の記事では「広島で人気の御影石ベスト3」をご紹介しました。

第三位は青木石(香川県産)、第二位は庵治石(香川県産)、
第一位は・・・大島石(愛媛県産)と書きました。

今日はこの広島で人気No,1の御影石「大島」について
書いてみたいと思います。

ちょっと大島石はどんな雰囲気の御影石なのかYouTubeで
動画を探してみたところ、大島石の採掘場やお石塔の写真が
掲載されているものがありましたのでご紹介しましょう。




一口に「大島石」といっても、実はこの動画で紹介されている
ような採掘場(丁場ともいいます)が40箇所くらいあります。

仮に40箇所と仮定すると40種類の大島石があると言えます。

天然の原石ですから、100%まったく同じ石目の大島石が
採れることはありません。掘る場所掘る場所で微妙に変わります。

その中でも青味が深く、石目が細かく、そして白玉や黒玉、
キズなどがない原石ほど上物とされ、等級が上になります。

同じ場所で掘っていても、深く掘り下げたら
石目や色調が変わることだってあります。

これらの大島石の原石は、その美しさの度合によって
等級を決められ流通価格が決めらてきました。

最近では、丁場ごとにブランド化をすすめている
ところも増えてきました。

有名なところでは大島石材工業の「石善」があります。
採掘場の会社が自社で採れる石をブランド化した成功例です。

大島石善のホームページ
http://ooshima14zen.jp/


通常は採掘場→商社→加工卸売→小売店という経路を
たどって末端の消費者のところまで届きます。

安い大島石だと、どこの採掘場の原石かわからなくなる
ケースがほとんどです。

大島の取扱いに慣れている墓石店であれば、
「この大島は◯◯の丁場の石」と説明できるのですが、

なかなかここまで把握できているところは少ないです。

広島の御影石の謎 編・・・その2


前回の記事「墓石の価格~3つの謎・・・御影石の謎 編」では、
主に外国産の御影石の呼称について書きましたね。

今回は広島で人気の国産の墓石について突っ込んで書いてみたいと思います。

広島の墓石によく使われている御影石はどんな石種があるでしょうか?

まずは広島の墓石で人気の「国産御影石ベスト3」をご紹介しましょう。


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<<第三位>> 青木石(香川県産)
弘法大師が修行したといわれる香川県の丸亀市沖合に浮かぶ島“広島”という名前の小さな島で採掘される歴史ある御影石。淡い青みがかった色合いで上品な風合いを持つ石目で「大島石」や「庵治石」と並ぶ瀬戸内の銘石のひとつ。大島石の妹分のとうなイメージで、特に女性に受けの良い人気の御影石。“黒口”と“白口”の2種類に分けられ、青味がかった“黒口”の青木はとても美しく評価が高い。





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<<第ニ位>>庵治石(香川県産)
“御影石のダイヤモンド”とか“世界一高い御影石”という呼称が代名詞の天下の銘石。淡青色の細かい石目に鱗状のかすかな紋様が浮かびあがるのが特徴。この独特の石目は“斑が浮く”とも表現され、その美しさは他に並ぶものはなく世界的に見てもダントツ。この類を見ない風合いと美しさに御影石そのものの品質の高さを兼ね備えたまさに極上の銘石。庵治石で建てたい!という声は多いが、そのあまりにも高価すぎる価格により購入まで至る方はなかなかない。人気実力とも群を抜いているが高すぎる・・・ということで泣く泣く第二位。



jpn-iyooosima-2kyuu-2<<第一位>> 大島石(愛媛県産)
広島で絶大な人気を誇り、もっとも多くの建立実績がある鉄板の御影石。外国材が輸入される前の広島の墓石といえば、ほとんどこの大島石と言っても過言ではない。“御影石の王様”とも呼ばれ広島では最も愛されている。採掘される丁場ごとに微妙が石目が異なり、一口に大島石といってもかなりの種類がある。石目の美しさで細かくランク分けされている。青味が濃く、石目が細かく揃っているものほど上物。国内産の中では最高品質で気品と風格を感じさせるおすすめの御影石。





この3つの瀬戸内の銘石はいずれも四国の御影石ですね。

広島では議員石という国会議事堂に使われた銘石があります。

ありますが、茶系の粗目の風合いが和型の墓石よりも
どちらかと言えば洋風の墓石や建築材に向いてる風合いです。

四国の石で広島まで運搬するのは大変だったと思います。

昔は瀬戸大橋やしまなみ海道なんてありませんでしたものね。

でも船で運べば意外に四国と広島は近いです。

沿岸部には特に庵治石や大島が多く建立されていますが、
こういった流通の事情もあったのだと思います。

次回は大島石の呼称の問題について詳しく書いてみたいと思います。

墓石の価格~3つの謎・・・御影石の謎 編

墓石価格が石材店によってまちまちで、
同じように見えても、
  
高い店と安い店で何が違うのかわからない・・・って
思ったことありませんか?

今回はお墓の値段を比較しにくくしている

「墓石の価格~3つの謎」のひとつ、

「御影石の謎」

について解説していきます。

あなたは各墓石店の「御影石」の種類は
どこで買っても同じだと思っていませんか?

またまたいきなり何を言っているんだ、と思われたかも知れませんね。


よく墓石に使われいる石のことを「御影石」と呼んでいるのですが、
まずは御影石についてちょっと解説しましょう。 

御影石とは、花崗岩(かこうがん)や閃緑岩(せんりょくがん)、
ハンレイ岩などと呼ばれている石種の総称です。

御影石(みかげいし)という名称は、
かつて神戸市東灘区御影で数多くの花崗岩が産出したことにちなんで、
「御影石」と名付けられたと言われています。

明るい黄色っぽい色調で、岡山の万成石によく似ている石で、
今ではかなり希少な石種として非常に高価な石として有名です。

そのいわゆる総称としての「御影石」は地底の深くでマグマが冷え、
地殻変動により持ち上げられて、地表に露出した岩石のこといいます。

石英、長石、斜長石などが主成分で、
有色鉱物の量によ り様々な色調が形成されます。

強固で、見た目が美しく耐久性があるため、
墓石以外にも建築材として建物の内外装などにも使用されています。

日本では昔から城の石垣や石橋、寺院などでも
建築素材として数多く利用されてきました。

大阪城の石垣には愛媛の大島石が使われているとか、
江戸城の石垣には真鶴の本小松石が使われているとか言われています。


まあ、御影石の説明はこれくらいにして、ここで言う御影石は

墓石に使われている石ということでご理解下さい。

そんな御影石ですが、現在、日本で墓石として流通しているものは
80%が外国材で国産材は20%程度と言われています。

実際、わたしのお店での販売比率としては6:4くらいで
外国産の方が多い傾向にあります。

その理由は、「価格の差」によるものがほとんどで、
ざっくりと計算すると一番安いクラスの外国産の御影石と
国産材の御影石の価格差は・・・単純に倍します。

最安値の外国産御影石の価格x2=最安値の国産御影石の価格

といった感じで、予算重視の方が多い昨今では
どうしても外国産の御影石が多く流通しています。

 現在日本でよく流通している外国産の墓石の過半数は中国産です。
これは単純にたくさん採れて、安くて近いからということが言えるでしょう。

次によく使われている国がインド、続いてアフリカ、ヨーロッパ、アメリカ
今は減りましたがおとなりの韓国の御影石などもあります。

傾向としてインド産の石が硬くて水を吸わないよい品質の石が多いですね。


大体全部で30種類くらいが外国産として実績があり流通してますが、
ここで消費者の方にとってやっかいな問題が出てきます。

それは、「墓石店によって御影石の呼称が違うこと」です。
同じ外国産の御影石でも石材店によって、名前が違うのです。

これによって例えばどういうことが起きるかというと、こういうことです。

Aという石材店で見積もりとしてもらったら長安石という中国産の石で
100万だったので、Bという石材店に行き、長安石で見積もりを依頼した。

しかし、B店にはそのような名前の墓石がなく、単純に同じ墓石で
値段の比較をしようとしてもできなかった・・・という感じ。

そうなんです。前回は「墓石のサイズ」に統一規格がないと解説しましたが、
実は「御影石の名前」にも統一規格がないのです。

こういったことから、墓石の価格をわかりにくくさせている謎の一つとして
「御影石の謎」と書かせていただきました。


最近はこういった不透明な部分をオープンにしようということで
墓石の卸業社の間で、G603とかK16とか品番で呼ばれ広く流通している
石種に対しては、品番をオープンにしているお店も増えています。
 
ただ、記号のような名前だとお客様に説明しにくかったり覚えにくいので、
基本的には各墓石店が好きな名前をつけていることが多いのが現状です。

今回の記事では、外国産の御影石の呼称について書きましたが、
国産の墓石の呼称についても、もうちょっと突っ込んだ話をしたいと思います。