墓石の価格~3つの謎・・・御影石の謎 編

墓石価格が石材店によってまちまちで、
同じように見えても、
  
高い店と安い店で何が違うのかわからない・・・って
思ったことありませんか?

今回はお墓の値段を比較しにくくしている

「墓石の価格~3つの謎」のひとつ、

「御影石の謎」

について解説していきます。

あなたは各墓石店の「御影石」の種類は
どこで買っても同じだと思っていませんか?

またまたいきなり何を言っているんだ、と思われたかも知れませんね。


よく墓石に使われいる石のことを「御影石」と呼んでいるのですが、
まずは御影石についてちょっと解説しましょう。 

御影石とは、花崗岩(かこうがん)や閃緑岩(せんりょくがん)、
ハンレイ岩などと呼ばれている石種の総称です。

御影石(みかげいし)という名称は、
かつて神戸市東灘区御影で数多くの花崗岩が産出したことにちなんで、
「御影石」と名付けられたと言われています。

明るい黄色っぽい色調で、岡山の万成石によく似ている石で、
今ではかなり希少な石種として非常に高価な石として有名です。

そのいわゆる総称としての「御影石」は地底の深くでマグマが冷え、
地殻変動により持ち上げられて、地表に露出した岩石のこといいます。

石英、長石、斜長石などが主成分で、
有色鉱物の量によ り様々な色調が形成されます。

強固で、見た目が美しく耐久性があるため、
墓石以外にも建築材として建物の内外装などにも使用されています。

日本では昔から城の石垣や石橋、寺院などでも
建築素材として数多く利用されてきました。

大阪城の石垣には愛媛の大島石が使われているとか、
江戸城の石垣には真鶴の本小松石が使われているとか言われています。


まあ、御影石の説明はこれくらいにして、ここで言う御影石は

墓石に使われている石ということでご理解下さい。

そんな御影石ですが、現在、日本で墓石として流通しているものは
80%が外国材で国産材は20%程度と言われています。

実際、わたしのお店での販売比率としては6:4くらいで
外国産の方が多い傾向にあります。

その理由は、「価格の差」によるものがほとんどで、
ざっくりと計算すると一番安いクラスの外国産の御影石と
国産材の御影石の価格差は・・・単純に倍します。

最安値の外国産御影石の価格x2=最安値の国産御影石の価格

といった感じで、予算重視の方が多い昨今では
どうしても外国産の御影石が多く流通しています。

 現在日本でよく流通している外国産の墓石の過半数は中国産です。
これは単純にたくさん採れて、安くて近いからということが言えるでしょう。

次によく使われている国がインド、続いてアフリカ、ヨーロッパ、アメリカ
今は減りましたがおとなりの韓国の御影石などもあります。

傾向としてインド産の石が硬くて水を吸わないよい品質の石が多いですね。


大体全部で30種類くらいが外国産として実績があり流通してますが、
ここで消費者の方にとってやっかいな問題が出てきます。

それは、「墓石店によって御影石の呼称が違うこと」です。
同じ外国産の御影石でも石材店によって、名前が違うのです。

これによって例えばどういうことが起きるかというと、こういうことです。

Aという石材店で見積もりとしてもらったら長安石という中国産の石で
100万だったので、Bという石材店に行き、長安石で見積もりを依頼した。

しかし、B店にはそのような名前の墓石がなく、単純に同じ墓石で
値段の比較をしようとしてもできなかった・・・という感じ。

そうなんです。前回は「墓石のサイズ」に統一規格がないと解説しましたが、
実は「御影石の名前」にも統一規格がないのです。

こういったことから、墓石の価格をわかりにくくさせている謎の一つとして
「御影石の謎」と書かせていただきました。


最近はこういった不透明な部分をオープンにしようということで
墓石の卸業社の間で、G603とかK16とか品番で呼ばれ広く流通している
石種に対しては、品番をオープンにしているお店も増えています。
 
ただ、記号のような名前だとお客様に説明しにくかったり覚えにくいので、
基本的には各墓石店が好きな名前をつけていることが多いのが現状です。

今回の記事では、外国産の御影石の呼称について書きましたが、
国産の墓石の呼称についても、もうちょっと突っ込んだ話をしたいと思います。